広島で福祉かける様々な活動で社会に新しい価値を吹き込む人達　ひろしまるくとマルシェ

みなさんこんにちは、たちまち通信の松浦です。今回は、広島駅北口にある(エキキターレ)というイベント広場で開催されたマルシェ Hi-roshimarkt(ひろしまるくと)に行ってきました。福祉と様々な活動を掛け合わせたB Smileさんをはじめとした様々な団体さんが生き生きと活動していました！

まず、福祉と聞くと皆さんはどんなイメージを持っていますか？今回のマルシェ Hi-roshimarkt(ひろしまるくと)の取材を通してわたし松浦が感じた、新しい福祉の形を今日はお伝えしたいと思います。

Hi-roshimarkt(ひろしまるくと)は、広島県内の23の福祉事業所が出店。福祉関係の利用者さんと福祉職員さんが共に自分たちで手作りしたアクセサリーや生活雑貨、コーヒーを始めとした食品などを出店しているイベントです。

広島の各事業所さんが福祉の利用者さんの個性を活かした独自の価値を社会に届けていました。

会場では福祉利用者さんの手作りアクセサリーや雑貨の販売、出来立てのコッペパンキッチンカーにワークショップ、ダンスやジャンケン大会のステージイベントもあり、多くのお客さんで賑わっていました！

今回はHi-roshimarkt(ひろしまるくと)の取材を通して、その新しい福祉とかけわせたの活動の魅力をご紹介していきます！

広島で先行く就労継続支援B型事業 B Smileの伊藤代表にどんな活動をしてるのか聞いてみた

広島で一般就労が困難な方に仕事の支援をされている活動団体の代表伊藤さんにお話を聞きました。

元々は伊藤さん自身も会社勤めをしていたそうです。その後、妊娠・出産とライフイベントを経験したのち、子育てを始めて今まで出来ていたフルタイムで働くことが難しくなっていました。その時に｢次に仕事をするなら好きなデザインの仕事をしてみたい！｣と思いと、就労継続支援B型事業をやられている知人に｢こういう仕事があるけどやってみないか？｣と誘われ、その二つが合わさって今の事業を始めるきっかけになりました。

事業を始めて数年後、関係者の方も多くなりアクセサリーなどを作っている活動場を広げようとした時に｢せっかく売れるものを作っているから対面の販売もしてみよう｣と大町に店舗センテレオ・ふわこっぺ広島店をオープンしました。

オープンするにあたって、食べ物の販売も一緒に始めたらたくさんのお客さんが来てくれるかもと考え、コッペパンを使った惣菜パンの”ふわこっぺ”の販売も一緒に始められたそうです。B Smileではコッペパンを使った惣菜パンやお菓子パンの販売の他に、福祉施設の利用者さんが作るアクセサリーに、生活雑貨を販売。利用者さんと職員の方が一緒にお客さんのニーズを汲んだオリジナルアクセサリーやグッズを作るそうです。

2024年からは｢競輪とオートレースの補助事業｣の補助を受けて、キッチンカーで県内各所のマルシェやイベントでの販売も始め、精力的に活動されています！様々な活動を精力的に行う伊藤さんに惹かれた、バイタリティー溢れるメンバー、通称”スマイルガールズ”たちで笑顔あふれる活動をしています。

スマイルガールズ

就労継続支援B型とは

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難であるものに対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う。

広島県内23の福祉事業所が広島エキキターレに大集合！

2024年3月2日にエキキターレで開催されたHi-roshimarkt(ひろしまるくと)では、広島県内の23の福祉事業所が出店されていました！

その中で取材した就労継続支援事業所のお店をいくつかご紹介します。

B Smile(ビースマイル)さんの”ふわこっぺ”　

広島市安佐南区大町にある就労支援センターB Smileが運営する”ふわこっぺ広島店”。ふわこっぺは大町と長束に店舗があり、15種類のおかずこっぺと呼ばれる惣菜パンたちと15種類のおやつこっぺと呼ばれるデザートコッペパンたちを含んだ30種類以上の”ふわこっぺ”を普段作っています。

マルシェでは、2024年の今年から稼働したB Smile(ビースマイル)さんのキッチンカーで作るふわふわコッペパンのふわこっぺを作っていました！

チームLOVE ARTさんの｢バリスタが淹れるコーヒー｣　

広島市南区大州にある多機能型事業所｢LOVE ART｣。ダンスパフォーマーによる自主ライブやイベント出演、ドリップバックコーヒーの製造・販売を行っているそうです。

コーヒーのドリップ技術や味を競う障害者の全国大会｢チャレンジコーヒーバリスタ2022｣で見事優勝をした”チーム LOVE ART”。

”チーム LOVE ART”さんは、広島南区大州にある多機能型事業所LOVE ARTの利用者さんと福祉職員さんで作るチームです。

マルシェでは、挽きたてのコーヒーをバリスタが目の前で淹れる実演販売とオリジナルブレンドの豆、ドリップバックを販売していました！

多機能型事業所とは？

同一敷地内(一つの事業所)にて、2つ以上の障害福祉に関する異なるサービスを提供している施設のことです。

就労支援B型事業所｢のあ｣さんの珍しいキノコで作るたもぎ茸で出汁をとった味噌汁

きのこで食生活を豊かに。広島市東区矢賀にある就労支援B型事業所｢のあ｣。文具組立や商品梱包の内職作業をはじめ、たもぎ茸を始めとしたキノコ栽培ハウスでの収穫や包装などを行っているそうです！

マルシェでは、たもぎ茸で出汁をとった味噌汁と椎茸やたもぎ茸を販売していました。他にもたもぎ茸を使った美味しい料理の手描きレシピもありました。(レシピにあるたもぎ茸の炊き込みご飯も美味しそう！）

たもぎ茸ってどんなキノコ？

北海道や東北の寒い地域で地域で自生している珍しいキノコで、夏の限られた時期にしか採れない幻のキノコと言われていたそうです。広島県内で初めて栽培が可能となったたもぎ茸。別名”出汁キノコ”とも呼ばれ、栄養価が高く、ビタミンA,B,Cの他ビタミンEの7000倍の抗酸化作用を持つエルゴチオネインがきのこの中でダントツに多いキノコになります。

｢ポレポレファクトリー｣さんの東広島市西条の酒粕を使った無添加｢三六五(みろこ)石鹸｣

広島市西区横川新町にある就労継続支援B型事業所｢ポレポレファクトリー｣。ポレポレとはスワヒリ語で｢ゆっくり」を意味する言葉だそうです。あせらず、ゆっくりと。強く、しなやかに。草木や花がゆっくりと成長するように、私たちもそうありたい。そう思って名付けられたそうです。

｢ポレポレファクトリー｣ではパソコン作業、地域でのダンスレッスンをはじめ、手漉き和紙作りに、無添加｢三六五(みろこ)石鹸｣作りなどを行っているそうです。

マルシェでは、無添加｢三六五(みろこ)石鹸｣を販売していました！

ポレポレファクトリーさんが手がける無添加｢三六五(みろこ)石鹸｣が出店していました！

木でできた升に入っている生石鹸。押すとところてんみたいに抜けます。石鹸には東広島西条の賀茂鶴さんの仕込み水と酒粕を使われているそうです。また石鹸には香りがついていて、嗅ぐとヒノキのいい香りがしました！ヒノキの香りが一番のおすすめだそうです。使用期限は作成してから一年までです。

10gからの計り売りでオシャレで使いやすい無添加酒粕生石鹸。

｢B Smile｣さんのふわこっぺとモリンガティー、｢LOVE ART｣さんのコーヒー、｢のあ｣さんのたもぎ茸味噌汁を食べてみた！

今回、マルシェに出店されていた各事業所さんの中から人気の品をいくつか食べてみたのでご紹介します！

｢B Smile｣さんからはふわふわのコッペパンに唐揚げやウインナーを挟んだ”ふわこっぺ”とカルシウムやビタミン、ミネラルなどの豊富な栄養を含んだスーパーフードの”モリンガティー”。

｢チームLOVE ART｣さんからはバリスタさんが淹れてくれた甘味が特徴のコーヒー”ドリームブレンド”。

｢のあ｣さんからは別名”出汁キノコ”と呼ばれたたもぎ茸を具材と出汁に使った”たもぎ茸味噌汁”。

｢B Smile｣さんの”ふわこっぺ”と”モリンガティー”、「チームLOVE ART｣さんのコーヒー”ドリームブレンド”、｢のあ｣さんの”たもぎ茸味噌汁”のそれぞれの食べた感想をわたし松浦とカメラマン秦野がお伝えしていきます！

｢B Smile｣さんの”ふわこっぺ”と”モリンガティー”

まずは、｢B Smile｣さんのふわこっぺを。たくさんある組み合わせの中から一番人気のからあげ油淋鶏とウインナーサルサソースを頂きました！

サクサクの唐揚げと甘酸っぱいソースにふわふわのコッペパンの相性が抜群！これは一番人気なのも納得の美味しさです。ウインナーサルサソースもパリッとしたウインナーとサルサソースが絶妙なコンビネーションで最高でした。

スーパーフードのモリンガティーはアロマのいい香りがして、癖がなくとても飲みやすかったです！

｢チームLOVE ART｣さんのコーヒー”ドリームブレンド”

続いては｢チームLOVE ART｣さんのコーヒー。本日はドリームブレンドを頂きました！カップはアイルランドで開発されたプラスチックの蓋がないSDGsな作りになっているバタフライカップ。なんとフラップを2回折るだけでそのまま飲めるんです！

蓋をつける手間がないのとつける際にこぼす心配がないのは嬉しいですね！持ち歩いてもこぼれにくく、捨てる時も分別不要のストレスフリー。

味は甘味があり、さっぱりとしていてバリスタさんが淹れてくれたことで、より一層美味しく感じました！

｢のあ｣さんの”たもぎ茸味噌汁”

最後は｢のあ｣さんのたもぎ茸を出汁に使った味噌汁です。飲む前からたもぎ茸の芳醇ないい香りがしました！一口飲んでみると口の中いっぱいにキノコの味が広がり美味しかったです！

具にもたもぎ茸がたくさん入っており、シャキシャキの食感がして噛むたびにいい味がしました。

＜まとめの一言＞新しい福祉の形

今回、ひろしまるくとを取材して感じたのは今までの福祉と一味違った、福祉＋〇〇といった利用者さんそれぞれの価値を引き出した取り組みが福祉が身近にない人達にもいい働き方をしていると各事業者さんのお店で感じました。利用者さんが自分の特技を活かすことで社会に貢献でき、利用者も福祉職員もお客さんもみんなが笑顔になる。頑張って終わりではなく、利用者一人一人の力をこれからに繋ぐという思いが強く伝わりました。

また利用者さんと一緒に販売することで、福祉や支援が必要な方が身近でない方でも福祉との距離を少しでも近くに感じてもらえるきっかけになり、この活動をきっかけの一つに福祉へのイメージがより良い方向につながるといいなと思いました。

この活動が気になった人は、大町にあるセンテレオ・ふわこっぺ広島店に行かれてみてはいかがでしょうか。